昔の空の旅-おマヌケ印刷物3連発!
国際線を飛ばすような航空会社は、その国を代表する立場で広告宣伝には力を入れるものです。
自国を魅力的に見せようとするのは当然ですが、その航空会社が飛んでいく就航先に対しても、やはりそうした思いは同じでしょう。
そんな訳で1950年代にエールフランスが制作した極東地域の宣伝リーフレットがこれ。
エールフランスというと、サヴィニャックなど名だたるイラストレーターが筆を振るった、オシャレでアートなポスターが知られていますが、この表紙絵も署名が入っているところをみると、それなりの作家による作品と思われます。
極東の風物が盛りだくさんで賑やかな表紙ですが・・・・

右上の「パチンコ」っていうのはなんでしょう?
漢字が書かれたTシャツを意味は分からず雰囲気だけで着ている外国人のように、目についた日本語をたまたま描いちゃったのでしょうが、日本(東洋の文字)のイメージが「パチンコ」というのは、エールフランスらしからぬ失態ですね。
しかしこの表紙、作者の意図か勘違いかは抜きにして、日本風の赤い太鼓橋の真ん中で出会っている男女がベトナム風だったり、インドの象の背中で力士が相撲を取っていたり、富士山を背に東南アジアのジャンクが浮かんでいたりと、とにかく強烈にカオスです。
ヨーロッパでアジアが「極東」として一括りにエキゾチシズムだけでしか見られていなかった時代の名残に思えます。
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こんどは緊急事態に関して。
飛行機に乗ると前の座席の背に「安全のしおり」が入っていますよね。たいていはラミネートされたカードで、非常口の位置や開け方、救命胴衣の着用方が載っています。
しかし、「安全のしおり」は昔からそうした形態だったわけではありません。
昔の「安全のしおり」は、各航空会社が独自に制作した紙のパンフレットでした。それも単独で作られているものとは限らず、ルートマップが載った冊子や機内の案内に一緒に記載されている場合もありました。
今日のような形態になったのは1970年代頃で、内容も今では航空機メーカーが機体のタイプごとに標準版を定め、各航空会社が一部だけ変えて使うケースも少なくありません。
仮に、大海原の真ん中で飛行機に不具合が起きたとき、エンジンの信頼性が向上した現在ではボーイング777などの双発機でもETOPSといって、180分など一定時間以内に最寄りの空港に着陸できるような場所を飛ぶことが元々考慮されています。
しかし、そのような基準が無かったプロペラ機時代は「悪天候の中、山にぶつかる」ことと並んで、「エンジン故障で海の真ん中に不時着水する」ことが航空旅客の不安事だったのです。
1960年代、航空会社は乗客のそうした不安を少しでも和らげようと「安全のしおり」づくりにも努力していました。
その成果が下に示す2点の資料です。
まずはハワイアン航空発行のもの。

そりゃ、水鳥は確実に着水できますわ・・・
不時着水はそれくらい心配いらないよ、と言いたいようです。
左のページでは自社がいかに安全の記録を打ち立ててきたかが滔々と説明されています。
次はアリタリア航空のもの

緊急事態に人魚をナンパしてどうする!!
ここまでメルヘンで攻めるイタリア人のセンスには苦笑するしかないですね。
しかし、肝心の救命胴衣の着用方がいまひとつ抽象的過ぎませんか?
(画像をクリックすると拡大します)
自国を魅力的に見せようとするのは当然ですが、その航空会社が飛んでいく就航先に対しても、やはりそうした思いは同じでしょう。
そんな訳で1950年代にエールフランスが制作した極東地域の宣伝リーフレットがこれ。
エールフランスというと、サヴィニャックなど名だたるイラストレーターが筆を振るった、オシャレでアートなポスターが知られていますが、この表紙絵も署名が入っているところをみると、それなりの作家による作品と思われます。
極東の風物が盛りだくさんで賑やかな表紙ですが・・・・

右上の「パチンコ」っていうのはなんでしょう?
漢字が書かれたTシャツを意味は分からず雰囲気だけで着ている外国人のように、目についた日本語をたまたま描いちゃったのでしょうが、日本(東洋の文字)のイメージが「パチンコ」というのは、エールフランスらしからぬ失態ですね。
しかしこの表紙、作者の意図か勘違いかは抜きにして、日本風の赤い太鼓橋の真ん中で出会っている男女がベトナム風だったり、インドの象の背中で力士が相撲を取っていたり、富士山を背に東南アジアのジャンクが浮かんでいたりと、とにかく強烈にカオスです。
ヨーロッパでアジアが「極東」として一括りにエキゾチシズムだけでしか見られていなかった時代の名残に思えます。
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こんどは緊急事態に関して。
飛行機に乗ると前の座席の背に「安全のしおり」が入っていますよね。たいていはラミネートされたカードで、非常口の位置や開け方、救命胴衣の着用方が載っています。
しかし、「安全のしおり」は昔からそうした形態だったわけではありません。
昔の「安全のしおり」は、各航空会社が独自に制作した紙のパンフレットでした。それも単独で作られているものとは限らず、ルートマップが載った冊子や機内の案内に一緒に記載されている場合もありました。
今日のような形態になったのは1970年代頃で、内容も今では航空機メーカーが機体のタイプごとに標準版を定め、各航空会社が一部だけ変えて使うケースも少なくありません。
仮に、大海原の真ん中で飛行機に不具合が起きたとき、エンジンの信頼性が向上した現在ではボーイング777などの双発機でもETOPSといって、180分など一定時間以内に最寄りの空港に着陸できるような場所を飛ぶことが元々考慮されています。
しかし、そのような基準が無かったプロペラ機時代は「悪天候の中、山にぶつかる」ことと並んで、「エンジン故障で海の真ん中に不時着水する」ことが航空旅客の不安事だったのです。
1960年代、航空会社は乗客のそうした不安を少しでも和らげようと「安全のしおり」づくりにも努力していました。
その成果が下に示す2点の資料です。
まずはハワイアン航空発行のもの。

そりゃ、水鳥は確実に着水できますわ・・・
不時着水はそれくらい心配いらないよ、と言いたいようです。
左のページでは自社がいかに安全の記録を打ち立ててきたかが滔々と説明されています。
次はアリタリア航空のもの

緊急事態に人魚をナンパしてどうする!!
ここまでメルヘンで攻めるイタリア人のセンスには苦笑するしかないですね。
しかし、肝心の救命胴衣の着用方がいまひとつ抽象的過ぎませんか?
(画像をクリックすると拡大します)
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No title
アリタリアの人魚さんかわいいですね。胴衣をつけた乗客が『人魚をナンパ』しているのではなく、人魚が助けに来てくれた、というイメージなのではないかと思われます。空から飛行機が降ってきたことに驚いた人魚がいってみると、おぼれかかっている乗客がいたので、『気をつけてね、こうやって泳いで・・・』といっているイメージ
飛行機の乗客には泳ぎの得意でない人もいっぱいいるはずなので、緊急着水しても泳ぎの得意な
人魚が待ってるよ、といって安心させる狙いがあったのでは・・・
飛行機の乗客には泳ぎの得意でない人もいっぱいいるはずなので、緊急着水しても泳ぎの得意な
人魚が待ってるよ、といって安心させる狙いがあったのでは・・・
No title
人魚のお友達さん
ナルホド、そういう解釈もありますね。ついつい男目線で見てしまいました。(笑)
今日では少ないですが、当時は大海原に不時着して・・・という事故もしばしばあったようなので、いかに安心させるかは思案のしどころだったと思います。
ナルホド、そういう解釈もありますね。ついつい男目線で見てしまいました。(笑)
今日では少ないですが、当時は大海原に不時着して・・・という事故もしばしばあったようなので、いかに安心させるかは思案のしどころだったと思います。