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昔の空の旅-ツェッペリン飛行船で南米へ(前編)

前後2回に分けて紹介するのは、1935(S10)年頃にドイツのハンブルク・アメリカ汽船会社が発行した、ツェッペリン飛行船によるドイツ~ブラジル航路の案内パンフレットです。
今日では幻の交通機関となってしまった大型飛行船で南米へ旅立ってみましょう。



表紙に巨大な雄姿を浮かべているのは、爆発事故で知られる「ヒンデンブルク」と並んで有名な「グラーフ・ツェッペリン」。1929(S4)年には世界一周飛行の途上で来日したという経歴もある、ドイツが誇る大型飛行船です。

これから読者の皆様に乗船いただくのは、背景の地図で示されている、ドイツのフリードリヒスハーフェンからリオデジャネイロへの航路。
フリードリヒスハーフェンは、ツェッペリン飛行船の建造地であり運航の本拠地。いわば飛行船のふるさととも言える場所です。

パンフレットの中身を見ていく上で必要になるので、ここで簡単に飛行船の構造について解説しておきましょう。

葉巻型の胴体の中には、水素ガスが充填された気嚢が収納されています。その前方下面に突き出ているのが、操縦室と客室が並ぶキャビン。そこから目を後方に移していくと、胴体下面に何個か丸いものがぶら下がっていますが、これはエンジンが収納されているゴンドラです。エンジンにはそれぞれ後方にプロペラが付いており、これが推進力となる訳です。

dzr_2.jpg

このパンフレットは土地柄、ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・英語の4カ国語で書かれています。英語の部分をお読みになれば、大体意味はお分かりになるかと思います。

第一ページ目はこの航路に関する簡単な紹介。ドイツ~南米は3日間の旅でした。
左上に掲載されているのは、フリードリヒスハーフェンにあった巨大な格納庫です。着飾った紳士淑女は、これから始まる空の旅に胸を躍らせていることでしょう。

dzr_3.jpg

いよいよ出発。

飛行船の頭脳・操縦室は、舵を切るステアリングの形やチャートを広げる姿など、どちらかというと船のたたずまいです。むしろ“操舵室”と言った方が良いかもしれません。

エンジンが収納されているゴンドラには胴体から梯子が架けられており、飛行中でも必要があればエンジニアがそれを伝って降りられるようになっていました。

洋上を行く飛行船の全景は雄大なものですが、尾翼にはナチスのハーケンクロイツが描かれていることにも注目して下さい。但し、飛行船をプロパガンダに利用するということについては、ナチス内部でも人によって関心の度合いが異なっていたようですし、ましてエッケナーなど、純粋に民間の交通手段として飛行船の製造や運航に携わる当事者にとっては不快なこと以外の何物でもなかったといいます。

dzr_4.jpg

キャビンの中がどうなっていたのかは、上の配置図をご覧下さい。
前方から操縦室・航法室・無線室・キッチン・食堂・客室・洗面所と並んでいました。4人部屋が2つ、2人部屋が8室あったようですが、一人旅の人はどうしたのでしょうか?

『ツェッペリンに乗ると、船や列車や車とは世界が違って見えます』と書かれていますが、地上の風物がはっきりと見える旅というのは、現代の我々からすると雲海しか見えないジェット機の旅とも異なりますね。

ツェッペリン飛行船については、「時刻表歴史館」 http://www.tt-museum.jp/taiyo_0130_dzr1936.html でも触れていますので、あわせてご覧下さい。

(画像をクリックすると拡大します)
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プロフィール

ttmuseum

Author:ttmuseum
「20世紀時刻表歴史館」館長。
サラリーマン稼業のかたわら、時刻表を中心とした交通・旅行史関連資料の収集・研究・執筆活動を行う。

<著作>
「集める! 私のコレクション自慢」
(岩波アクティブ新書・共著)

「伝説のエアライン・ポスター・アート」
(イカロス出版・共著)

「時刻表世界史」(社会評論社)

その他、「月刊エアライン」「日本のエアポート」(いずれもイカロス出版)、「男の隠れ家」(朝日新聞出版)などに航空史関係記事を執筆。

<資料提供>
「昭和の鉄道と旅」(AERAムック)
「日本鉄道旅行地図帳」(新潮社)
「ヴィンテージ飛行機の世界」(PHP)
の他、博物館の企画展や書籍・TVなど多数。

「時刻表世界史」で平成20年度・第34回交通図書賞「特別賞」を受賞。

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