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生き残った「あじあ」号(1959年)

かつて大連~新京~哈爾浜間を駆け抜けた、南満洲鉄道の特急「あじあ」号。
密閉式展望車を最後尾に連結した濃緑色の客車の先頭に立っていたのは、流線型も斬新な大型蒸気機関車・パシナでした。

「あじあ」は1934(S9)年に運転を開始し、戦争が激しさを増す1943(S18)に運転を取りやめていますが、それらの車両は、終戦前後にソ連が侵攻したどさくさや中国大陸の政治体制の大変革を経て、日本人の前からは姿を消すこととなります。
長らく消息不明だった牽引機のパシナが、廃車体として「発見」されたのは、中国交正常化後に日本人観光団体を受け入れるようになった1980年代の中国でのことでした。

これにより、それまでは「中国に残存」とも「ソ連に持ち去られた」とも言われていた「あじあ」号の車両は、一部が中国に存在していたことが確実となった訳ですが、「竹のカーテン」の向こう側・戦後まもない中国での現役時代を今に伝えてくれる資料は、「発見」から30年を経ても一般には目にすることがないのが実情です。

という訳で、これを最初に見たときは目を疑った貴重な資料を紹介したいと思います。
1959(S34)年に瀋陽の鉄路局が発行した地方版時刻表、表紙を飾るのは紛れもなく流線型のパシナです。

asia50s.jpg

当時の中国の時刻表は、実際には中国に存在しない西欧の車両をモチーフとしたイラストが表紙を飾ったりしているものもあるのですが(そうまで見栄を張りたいのか?)、これはそうしたものとは異なり、パシナの姿が割と忠実に描かれています。
ただ、青系だったと言われる塗装は、戦後の中国の車両の標準的な塗装である、緑に白いストライプに変更されています。

当時のパシナの運用は分かりませんが、瀋陽鉄路局発行の時刻表表紙に描かれていることから推察すると、やはり戦前の満鉄時代と同じような路線で走っていたのではないでしょうか。

(画像をクリックすると拡大します)
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tag : 昭和史 アジアの鉄道

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プロフィール

ttmuseum

Author:ttmuseum
「20世紀時刻表歴史館」館長。
サラリーマン稼業のかたわら、時刻表を中心とした交通・旅行史関連資料の収集・研究・執筆活動を行う。

<著作>
「集める! 私のコレクション自慢」
(岩波アクティブ新書・共著)

「伝説のエアライン・ポスター・アート」
(イカロス出版・共著)

「時刻表世界史」(社会評論社)

その他、「月刊エアライン」「日本のエアポート」(いずれもイカロス出版)、「男の隠れ家」(朝日新聞出版)などに航空史関係記事を執筆。

<資料提供>
「昭和の鉄道と旅」(AERAムック)
「日本鉄道旅行地図帳」(新潮社)
「ヴィンテージ飛行機の世界」(PHP)
の他、博物館の企画展や書籍・TVなど多数。

「時刻表世界史」で平成20年度・第34回交通図書賞「特別賞」を受賞。

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